会長からのご挨拶


2024年度インド日本商工会会長を拝命致しました、インド三井物産の榎本でございます。

私自身は今月1日にインドに着任したばかりで、初のインド駐在となります。これまで出張や事業管理など様々な形でインド関連ビジネスに関わって参りましたが、今回、駐在員として最前線でインドのビジネスに関われることを大変楽しみにしております。

さて、インドは昨年ついに人口で中国を上回り、世界最多となりました。世界の経済成長が鈍化する中、インドはGDP成長率7%台を維持するなど、力強い経済成長を続けており、早晩、日本を抜いて世界第3位の経済大国になることが想定されています。昨年8月にインドで開催されたビジネスサミットB20は55か国約1,700名が参加する大イベントとなりました。9月のG20ではインドは議長国としてグローバルサウスのリーダーの地位を確立するなど、世界におけるインドのプレゼンスが向上していることに疑いの余地はありません。日系企業にとってインドの重要性は益々大きくなるのではないでしょうか。

JETROが実施した「2023年度 海外進出日系企業実態調査 全世界編」によれば、インド進出日系企業の7割以上が「事業拡大の方針」と回答しております。これは全世界の調査対象国の中で1位との結果でした。また、近年、非常に多くの日系企業が調査のためインド視察にお越しになっており、日系企業のインド事業への期待が大きいことが判ります。雇用創出のためMake in Indiaを掲げるインドと、地政学リスクを意識する日本の利害関係は一致しており、当面この流れが続くことが見込まれます。

政治面におきましても、日印政府は極めて友好な関係が続いております。2022年の首脳会談においては岸田首相から5年間に渡って日本からの官民投融資5兆円の目標表明がありました。昨年のG20におきましては、日本は前年のG7議長国として議長国インドを全面的にサポート、成功に大きく貢献しました。今年は、日印関係をさらに深化させることを目的として、日本大使館主導で「Japan Month」と称した日印間の貿易・投資・交流等に焦点を当てた各種イベントが9月から10月頃に開催されます。

こうした良好な日印関係は、日本大使館をはじめとする日本国政府関係者や日系企業関係者の皆様の多大なご尽力の賜物です。 日印関係の更なる発展に貢献すべく、また、それに伴う 日系企業の成長・発展に貢献できるよう、微力ながら取り組んで参りたいと思います。

商工会に関してですが、2024年度の活動計画として昨年度に引続き、5本柱を掲げております。その中でも最も重要な「ビジネス環境改善」に向けた取組につきましては、日本大使館やJETROの皆様のご支援により、Fast Truck Mechanismの枠組でインド政府としっかり対話できる場を提供頂いております。お陰様で、少しずつながらも改善に向けた動きが進んでいます。加えまして「三木会の充実」・「部会・分科会の充実」・「ニュースレター・ホームページの改善」などを通じて会員の皆様の満足度を少しでも高め、結果として「会員数の増加」を通してプレゼンスの拡大に繋げていければと思います。より良い商工会活動としていきたいと考えておりますので、皆様の積極的なご参加をお願いすると共に、忌憚なきご意見を頂戴できれば幸いです。

最後になりますが、インド日本商工会の代表として、インドに進出されている、或いは今後進出される日系企業の皆様のご発展のために、商工会の皆様、日本大使館を始めとする日本国政府関係の皆様、日本人会の皆様と力を合わせ、信念を持って取り組んで参りたいと思いますので、何卒ご支援のほど宜しくお願い申し上げます。

2024年4月23日

インド日本商工会
会長 榎本 善之