会長からのご挨拶

2021年4月19日

インド日本商工会会長就任挨拶

2021年度インド日本商工会会長を拝命致しました双日インドの蛭子でございます。この一年、何卒宜しくお願い申し上げます。

私は2019年4月に当地に着任して本年で3年目となります。着任した時分は、モディ首相が第二期政権を発足、更なるインド成長に向けて国民の期待を背負って船出した時でした。しかしながら2020年3月以降の新型コロナ感染拡大に起因し経済が低迷、一旦は実質GDP成長率▲24.4%(2020年4-6月期)に大きく落ち込んだものの、直近発表の2020年10-12月期の実質GDP成長率は+0.4%に回復してきており、平均年齢29歳というフレッシュな国のインドの底力の強さを再認識致しました。

日印関係については、私の着任時の安倍首相から昨年9月に菅首相に代わりましたが、引き続き大変良好な関係が維持されております。5月初旬には菅首相が来印されるとの報道も出ており、今後益々日印両国の関係が発展していくと強く期待しております。これも一重に、日本大使館をはじめとする日本国政府関係者、インド進出日系企業の皆様方のこれまでのご尽力の賜であり、私自身も、今年度、インド日本商工会会長として、日印両国の信頼関係、インド経済成長とその中での日本企業の成長が更に深まり、広がっていくよう、最善を尽くす所存です。

一方で足元では、残念ではありますが、インドは、他諸国同様、新型コロナ(第二波)に再度見舞われており、本総会も残念ながら昨年度同様WEB開催となりました。生活においても、デリー準州において先週末、外出禁止令が発令されるなど、会員皆様にとって先が見通しにくい、ご心配が多い状況かと存じます。斯様な状況の下、今年度も引き続き、会員企業皆様の健康と安全をまずの最重要課題として取り組んで参ります。

これにあたっては、昨年度同様にコロナ関連情報の配信、意見集約、日印間渡航関連対応を日本大使館、日本航空、全日本空輸の航空会社の皆様からのご支援の下、継続して取り組んで参ります。又、この場をお借りして、新型コロナ第一波時以降、日印間渡航に制限が課せられておりますが、日本大使館、日本航空、全日本空輸、関係皆様の多大なるご支援のお陰で、インド日本商工会による特別チャーター便、及び、現在までの臨時便でインド在留邦人の両国間の渡航が出来ておりますことについて厚くお礼申し上げます。

その上で、今年度も、本来のインド日本商工会として設立趣旨である「会員相互の情報交換及び親睦」及び「事業活動の環境改善」について鋭意取り組んで参ります。

「会員相互の情報交換及び親睦」については、会員企業皆様の間の「出会い」「ネットワーキング」「情報公開」「気づき」の場を一層の充実を考えております。昨年同様のWEB活用は勿論、新型コロナの収束後にはREALの場も併せて設けていく予定です。内容については、会員企業皆様からのご意見を頂きながら、タイミング、タイミングで必要かつ求められるテーマを選び、講演や勉強会といった場を設営していくことを考えております。かような場を充実させ、会員企業皆様へ必要な時に、必要な情報・ネットワークをお届けしつつ、皆様が感じている懸念や問題意識をインド日本商工会として吸い上げ、解決に努めていきたいと考えます。

「事業環境の改善」については、昨年度は「配当分配税の廃止」の実現という大きな成果を得ることができましたが、まだまだインドでは税制、法規制、インフラ等、多くの課題がビジネス環境上で山積しているのが事実です。

インド日本商工会としては、これまで以上に「事業環境改善」にフォーカスしていくという決意を込め、昨年までの「建議書委員会」を「ビジネス環境改善委員会」と改称し、JETROにも事務局長としてご参加頂き、これまで以上にインド政府・関係機関と意見交換を交わす機会を設け、そこで日印双方にとって有益となる形は何かを議論しながら、日系企業の課題解決に努めていくことを考えております。その際には、昨年度の原産地証明に係る新ルール(CAROTAR2020)の時のように、日本国大使館、ジェトロ、インド日本商工会が一体となって課題解決に取り組むことが必要と認識しておりますので、何卒今年度も関係の皆様方からのご支援を頂きたく。

又、昨年度から開始した部会活動については、今年度は夫々の業界課題を専門家で一層深堀りしていき、業界全体の課題という形でインド日本商工会としてインド関係当局に提案・折衝していき、一つでも多くの課題解決を果たしていければと考えております。

今年度としては、以上のことに取り組んでいくことで、インド日本商工会会員企業の皆様への更に魅力的なサービス提供に努め、日印両国のビジネスの発展、人材交流の促進、更には日印両国関係の深化に貢献していければと考えております。

最後になりますが、私として、この一年、インド日本商工会会長として最善を尽くしていく所存ですので、何卒、皆様からのご支援ご鞭撻、宜しくお願い申し上げます。

以上