インド日本商工会会長就任挨拶

2022年度インド日本商工会会長を拝命致しました、丸紅インドの若森でございます。

今春着任したばかりで大変な重責を担うこととなり、文字通り身が引き締まる思いです。

私自身は、出張を含めこれまでインドとのビジネスの関わりは僅かでございましたが、国際政治・世界経済におけるインドの存在感が年々増してきている中、今年度当地でのビジネスの最前線に身を置く機会を頂きましたので、皆様よりご指導ご鞭撻を頂戴しながら、全力でこの大任を果たして参る所存です。

インド経済について少し述べさせて頂きます。インドは世界第2位の人口、及び巨大な中間所得層を抱え、高い経済成長率を記録してきております。20年度こそ新型コロナ感染拡大の影響を受け、大幅な落ち込み(▲6.6%)をみせたものの、21年度はⅤ字回復(8.95%)を遂げました。その後本年1月に感染拡大の第3波に見舞われましたが、基本的には各州の行動規制も緩和・撤廃傾向にあり、企業活動は平時に戻ってきたと感じています。22年度につきましても引き続き感染再拡大の可能性には注意が必要であるものの、これまでの行動規制による需要落ち込みの反動と、インド政府が推進するPLI(生産連動優遇策)に代表される各種振興策の効果による経済成長が期待出来るのではないでしょうか。

昨年度インド日本商工会では、業界別の部会・分科会活動を充実させ、皆様からのご意見を集約した上で、事業環境改善にフォーカスした「ビジネス環境改善提案書」をインド政府に提出致しました。この3月末にその回答書を受領し、現在今後の対応について協議を行っている状況でございます。今年度も同活動を改善・継続していくことで、インド進出日系企業の皆様の成長・拡大に少しでも貢献出来ますよう注力して参ります。今年度はサーベイやヒアリングを通じて商工会の活動を再点検し、活動内容の更なる充実を図っていきたいと考えております。各種行事への皆様の積極的なご参加と忌憚のないご意見、ご要望をお待ちしております。

日印関係につきましては、去る3月19日に4年半振りとなる首相訪印が実現し、岸田首相とモディ首相の首脳会談が行われました。会談の場では、両首脳の年次相互訪問再開についても合意されています。日印間の「特別戦略的グルーバル・パートナーシップ」に基づく、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、二国間関係に加え日米豪印の枠組みも通じ、今後も様々な分野での協力が進められるでしょう。

更に、今年は日印国交樹立70周年となります。インド日本商工会は日印国交樹立70周年事業実行委員会メンバーとして、記念行事の一つ、青年交流事業の開催に向けて準備を行っております。⽇印の「共⽣・共創」をテーマに未来を担う若者たち(学⽣)同⼠の交流イベントを開催し、学⽣を中⼼に継続的な若⼿⼈材の交流や就業機会に繋げていきたいと考えております。また、日本側でも各種記念行事が執り行われると伺っており、日印の交流と友好関係がより深まる機会となることを期待しております。

最後になりますが、日印両国の相互理解・信頼関係の深化、並びにインドに進出されている、或いは今後進出される日系企業の更なる社業発展の為、インド日本商工会の皆様、大使館を始めとする日本国政府関係の皆様、日本人会の皆様と力を合わせ、しっかり取り組んで参りますので、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

2022年4月吉日

インド日本商工会
会長 若森 進